21年6月、父である小泉信太郎氏(現相談役)からバトンを受け、合繊織物製造業の松文産業(福井県勝山市)の社長に就いてから3年が経った。134年の歴史を誇る名門織物製造会社のトップだ。合繊長繊維テキスタイルの国内最大産地である北陸・福井県勝山市の勝山工場、絹織物の国内北限といわれる山形県鶴岡市で唯一、ポリエステル長繊維の婦人服用織物を製造する鶴岡工場、そして糸加工を手掛ける滋賀県栗東市の栗東工場と、それぞれ毛色の違う工場を県をまたぐ立地で持つという、あまり例を見ない企業の経営にあたる。
チームとして幹部が世代交代
――名門企業のトップに就いて3年が経った。
社員のおかげでやれています。支えてくれる人がいるのがありがたいです。勝山工場が134年、鶴岡92年、栗東が60年です。
もともとは、横浜の生糸の商社でした。その後、勝山に織物工場で進出したので、勝山でもよそ者だったんですが、地域に貢献してきたことで、浸透できたと思います。鶴岡は、養蚕から絹織物まで一貫で生産してきたまちで、それは「サムライシルク」と呼ばれています。ポリエステルの会社は松文しかないのですが、今では「松文って鶴岡発祥の会社じゃなかったの」なんて聞かれたりもします。今はどの工場も地場の工場と認知していただいていることはありがたいです。
――社長就任を意識したのは。
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