《めてみみ》続く耐久戦

2022/01/18 06:24 更新


  都内百貨店の年末年始商戦は久々に活況だった。店内は家族や友人と連れ立つ客でにぎわい、インバウンド(訪日外国人)需要を除いた売上高は19年実績を上回った。リベンジ消費や自粛の反動によるペントアップ(繰り越し)需要の効果があったとはいえ、国内客の消費は確実に戻ってきた。

 伊勢丹新宿本店は1月2日の初売りで、開店前に前年比2倍の6500人が並び、セールの一斉スタートも重なって入店客が増加した。西武池袋本店は1日の初売りの入店客が前年比6割増。開店前に1万人超が詰めかけたコロナ禍前に比べると少ないが、「消費マインドの回復傾向が見られた」という。

 外出増や気温低下で防寒アイテムの売れ行きが良かった。婦人服はコート、セーターなどが良く、今欲しい、長く着られるプロパー品が伸びた。紳士服は通勤用途のコートをはじめ、ワイシャツや肌着のまとめ買いが目立った。

 1月のセールは短期集中型になる。プロパー販売の消化率が高かったため、セールの商品量は19年比で2割減の見通しだ。セールを早めに切り上げ、端境期商品の投入のほか、2~3月に本格化するオケージョン需要に対応し、店頭の鮮度、感度を高める。国内で感染者が確認されて2年。再びオミクロン株による第6波に直面しており、流行の波に翻弄される耐久戦が続く。



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