《めてみみ》リアルの大切さ

2022/02/03 06:24 更新


 SC業界の商談展示会「SCビジネスフェア」が1月26~28日、パシフィコ横浜で開かれた。昨年はコロナ下でオンライン開催となり、リアルでの実施は2年ぶり。3日間の来場者は延べ約2万1300人で、例年の5万人には及ばなかったが、「情報交換や商談が活発にでき、有意義だった」との声が多かった。

 主催した日本ショッピングセンター協会によると、前回のオンライン開催で「セミナーは遠方からリアルな場に行かなくても参加できるため、好評だったが、商談会は不評の声も多かった」という。仕事でのオンラインの活用は必然だが、雑談や活発な情報交換も重要な商談は「生で対面する場の方がやりやすい」と感じる人たちが多かったようだ。

 リアルな場の大切さを改めて感じる。今回のビジネスフェア会場でも「久しぶり」「元気?」などとうれしそうに声を掛け合う姿が多く見られた。20年4~5月の1回目の緊急事態宣言下での臨時休業明けに、店頭で楽しそうに接客する販売員と喜ぶ客の姿を思い出した。

 山極寿一京都大学名誉教授によると、「出掛ける」「集まる」ことなどが「人間の社会的行動の基本」という。オミクロン株の拡大で、イベントを中止する動きも出ているが、感染防止の徹底を前提に、リアルな場での出会いや交流は大切にし続けていきたい。



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