繊研新聞社が専門学校の卒業予定者を対象に行っているファッション意識調査の「よく買い物をする場所」は、「古着店」が2年連続で1位となった。価格が安いことやトレンドもあるのだろうが、古着店人気は根強い。
12年からの調査結果を見ると、古着店は常に3位以内で、13、18年も1位。なお、19年が「ネット」で、それ以外は「ファッションビル」(16年は駅ビル・ファッションビル)が1位だ。古着店は〝購買チャネル〟として欠かせないことがわかる。
路面店が主体だった古着店が、都心の商業施設に出店するようになった。「メルカリ」なども拡大している。キャリー品を販売するアウトレットに加えて、デッドストックも扱うオフプライスストアも広がり始めた。新作から旧品、古着までが一つの消費者市場にいわば併存している状態だ。古着、旧品、新品に対するファッション意識差がさらに薄れていくことも考えられる。
20年ほど前に取材したインポートカジュアルのメンズ専門店が「売り切ってしまうのがもったいない」と、仕入れた商品の一部を倉庫で寝かせていたことを思い出した。「出し時」に再び店頭に並べる。定番と言われるブランド、商品を扱っていたから出来ることかもしれないが、〝良き商品〟はデッドストックや古着となっても求める人がいる。