旭化成は従業員の自律的な成長やキャリア形成を後押しする学びのプラットフォーム「CLAP」を立ち上げた。外部eラーニングコンテンツと連携し、従業員がそれぞれの関心やニーズに合わせて、プログラミングやマネジメントなど約1万1500ものコンテンツから学べる。各事業や職種に求められるスキルが多様化・高度化し、従来の階層別研修を中心とした一律の教育内容では足りないということだろう。
蝶理は「蝶理を丸ごと変える」と全社業務変革プロジェクト「CARAT」を進めている。基幹システムを入れ替え、「データを基にした経営、事業運営に移行する」と先濵一夫社長。「がむしゃらに頑張るだけではこれ以上の成長は見込めない。管理する部分をシステム化、標準化した上で、各人材の個性や特長を生かして新しい仕事を作っていく」考えだ。従来の「OJT(現場教育)中心の徒弟制度的な育成では人材の流動化に対応できない」と教育にも手を加え、デジタル人材の育成を急ぐ。
社員の働き方やキャリアアップに関する考え方、志向、ニーズが多様化し、一方で企業側も従来の育成手法に限界を感じている。
旭化成は、従業員一人ひとりが成長し続ける「終身成長」を人財戦略に掲げる。「人が財産」とはよく言われるが、その本気度が今後の成長を左右しそうだ。