消費市場は〝一つ〟ということなのだろう。三井不動産は4月、1階と3階が「ららぽーと」で、2階に「アウトレットパーク」を挟んだ商業施設を大阪府門真市に新設する。アウトレット併設SCは同社では初めてだ。かつては出店立地や客層、来店目的など異なる業態だったはずだが、今回は〝一体化〟した。
出店者について、リーシング担当者は「新しい買い物体験への期待度が高い」と語っていた。正価品と値下げ品が年中共存していることへの違和感や反発の声は今でもあるように思うが、アウトレット併設型のSCは他社ではすでに幾つかあり、違和感は薄れているのかもしれない。
〝プロパー施設〟のもっとも大きな販促策だったセールの集客力の低下が顕著だ。正価品との併売で、正価品の方が売れる傾向が続いている。セール期は値下げ品しか買わないわけではないのだ。来店のきっかけであっても、購入するものは「欲しい物」だ。消費者は、正価品と値下げ品が同居していることをすでに受け入れている。
そう考えれば、アウトレットやオフプライスストア、二次流通店とプロパー店が一つの館に併存することがさらに進むかもしれない。人口が減少するなか、大型商業施設が目指しているのは、来店目的を多様化し、客層の幅を広げ、来店頻度を高めることだろうから。