水着製造小売業 ヨガやタウン向けなど品揃えを拡充

2019/01/21 06:28 更新


 水着製造小売業が、ビーチやプール以外のシーンへ品揃えの幅を広げている。旅先でのビーチヨガやサップヨガなどを想定したスポーツウェア、タウンにも使えるアスレジャースタイルやリゾートウェアを充実し、旅先での滞在スタイルを一手に引き受ける。客単価の向上や、水着の売り上げが落ちる秋冬の底上げにもつなげる狙いだ。

【関連記事】大人水着「リベーチェ」 来シーズンはアスレジャー強化

大人が求める

 スポーツウェアやリゾートウェアは、主に大人世代向けのブランド・業態で強化している。水着はこれまで、ヤング向けの商品や店作りをしてきたが、若い世代の人口減少や海外旅行離れ、美白ブームなどで苦戦を強いられている。一方で、ナイトプールや子供と出かけるプール、クルーズ人気など、大人世代が水着を求める場面は増えている。

 ミューラーン(東京)の大人の女性向けブランド「リベーチェ」は19年、アスレジャースタイルを充実する。ビーチでのヨガにもタウンユースにも使えるレギンスやトップ、パーカなどをトータルで揃える。センターシームを入れたレギンスなど、大人向けにデザインディテールにも気を配った。肌触りや心地良さを重視し、イタリアやスペインの素材をメインに使う。

 同社ではデザイナーらを国内外の高級リゾート地に派遣し、セレブリティーの滞在スタイルを学び、物作りに生かしている。社員のモチベーション向上にもつながっている。

ミューラーン「リベーチェ」はアスレジャースタイルを充実する

 ワコール子会社のAi(東京)の基幹業態「サンアイリゾート」は19年、ビーチ、シティー、スポーツ、ルームの四つのシーンで品揃えする。ビーチは水着やカバーアップ主体としながらも、音楽フェスやビーチでのピクニックなどのシーンも想定し、普通の洋服のようなアイテムを充実した。ルームではオリジナルのノンワイヤブラや、主力の水着でもワコールと共同開発したバストメイクや体形補整機能を訴求し、ワコールグループとしての強みを差別化につなげる。百貨店向けブランドではリゾートドレスやエレガントな羽織り、ボトムも増やしている。

 ヨガウェアはすでに18年からコーナーを設けて強化、18年11月は売り上げ構成の9%を占め、秋冬の売り上げ増に貢献している。

Ai「サンアイリゾート」はホテルで滞在するルームスタイルも提案

人材の確保も

 水着小売りは4月の連休から夏休みが終わる8月ごろに期間限定店を出店し、最盛期となる7、8月に年間売り上げの過半を作ってきた。ただ、昨今の販売員不足の影響もあり、期間限定店では人材の確保や育成が難しい。秋冬にも売れるカテゴリーを強化することで、年間常設店を増やし、人材の確保・育成にもつなげていく。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事