上海で「中川政七商店限定展」 工芸品に触れECへ誘導

2023/12/15 06:26 更新


12月31日まで開かれる中川政七商店上海限定展

 【上海支局】中川政七商店とジェトロ(日本貿易振興機構)上海は共同し、上海で「中川政七商店限定展」を開いている。日本の伝統工芸品の輸出振興やEC販売の促進、中川政七商店のコンセプトとイメージ発信が目的。

 ジェトロは、中川政七商店が日本伝統工芸業者800超と取引し、伝統工芸を支えていることを重視して支援している。

 両者は22年にジェトロ上海が中川政七商店の越境EC支援を開始し、ABCクッキングとの協業も実現していた。今年は展示会形式で伝統工芸品を実際に手に取ってもらう「実体験」を重視し、台北、上海、北京で限定展を開催、すでに台北は終了し、上海は12月31日まで開催する。

展示会で日本の伝統工芸品に実際に手に触れてもらう(12月31日まで開催)

 上海展の運営・マーケティングを担うのは、和音風雅上海商貿(吉田雅由共同代表)。同社は日本の物作り志向のブランドや新進アーティストの製品を輸入し、卸や小売りも行っている。

 場所は静安寺駅から北側の胶州路にあるリノベーション施設・現所2期。中川政七商店の日本の店舗イメージを再現し、各商品に焦点を当てて職人技を伝わるようにした。初日は上海の新進アーティストを招き、販売品である「親子でつくる辰(たつ)の干支(えと)かざり」を使ったペイント共演を実施。SNSの小紅書で発信し、来場者を増やした。

「辰の干支かざり」を上海のアーティストがペイントし、小紅書で発信した

 展示しているのは中川政七商店が選定した250アイテム。会場では購入できないが、多くを天猫国際で販売している。

 来場の多くは中国人で若い層も目立つ。手作業で作られる品物への関心は中国人も高く、漬物容器、弁当箱、正月用しめ縄、ミニだるまの置き物などが好評。吉田さんは「一部の中国人は昼に弁当を持参したり、発酵食品の漬物に関心がある人がいて、日本の工芸品がはまる」と話している。

中川政七商店上海限定展

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