24日に開業したニュウマン横浜 旬なコンセプトの新顔揃う

2020/06/30 06:30 更新


 6月24日に開業したニュウマン横浜は、ファッション、ビューティー、フードなど115店が出店した(24日時点で113店が営業)。ルミネとして初めてラグジュアリーブランドを集積しているほか、新業態も多い。ジェンダーレスで使用できるジュエリー、環境に配慮したコスメ、ライフスタイル提案を強化したセレクトショップなど、今を感じさせるコンセプトを持ったテナントが揃った。

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 ユナイテッドアローズは、「イウエンマトフ」の初のショップを出した。これまで、「ユナイテッドアローズ」のストア内レーベルとして販売してきたが、同店ではコレクションの全てを扱う。仕入れで水着やサングラス、花器、オブジェも販売。店内は「旅に来たように感じてもらいたい」とのディレクターの思いから、異空間をイメージした内装で服を際立たせた。

イウエンマトフ

 床は石畳のように仕上げ、石作りのレジカウンターは直線的で重厚ながら、ラックや鏡には曲線を取り入れ、イウエンマトフらしい女っぽさも感じられるようにした。すりガラスの窓からは外光が差し、自然な明るさの中で買い物ができる。オープン時には、中目黒の「チビフラワー」のフラワーアートを期間限定で設置した。

 メゾネット形式のショップを出したのは「エストネーション」。3階は「ジル・サンダー」や「メゾン・マルジェラ」などデザイナーブランドも含めたオンスタイルのレディスがメインとなる。「シャルロット・シェネ」「ヒロタカ」などクリエイタージュエリーを集めたコーナーも備えた。4階はメンズカジュアルと、「マリハ」「アンスクリア」といったリラックス感のあるレディスカジュアルが中心だ。この他、「ニコライバーグマン」のフラワーショップや、エストネーション初となるホーム・インテリアの小コーナーが設けられ、ライフスタイルに寄り添うラインナップとなっている。

エストネーション

➡カスタマイズで楽しむ

 ジュエリー・アクセサリーの新業態では、ユニセックスなデザインや、カスタマイズ対応がポイントとなっている。

 ミルクは、カジュアルジュエリー「ジュエッテ」の新ライン「ジュエッテエル」の単独店を出した。ジェンダーレス、エイジレス、タイムレス、ボーダーレスをキーワードに、イヤアイテム、リング、ブレスレットなどを10K、18K、シルバー素材で揃える。男性が着用可能なアイテムも並び、幅や質感などが選べるペアリングをはじめ、カスタムオーダーにも力を入れる。

ジュエッテエル

 スタージュエリーブティックスの「SJXW」は、メンズ・ユニセックスジュエリー「SJX」から派生させた新コンセプト店。レディス向けの新たなオリジナルに加え、既存のSJXからのアイテムと、仕入れや協業アイテムで構成する。地金感のあるクールなデザインが特徴で、イヤカフのバリエーションや、チャームで変化を付けられるチェーンネックレスシリーズなどがある。クラフトマンスペースを設け、その場でカスタムできるチャームジュエリーや、自身が書いた筆跡を生かして作るオーダージュエリーに対応。合成ダイヤモンドジュエリーも並ぶ。

SJXW

➡自然派志向のスタイル

 コスメで目を引いたのは資生堂の「バウム」だ。今夏デビューのスキンケアブランドで、年齢や男女を問わず、「樹木との共生」をテーマに90%以上を自然由来の素材で作った製品を扱う。シダーウッドオイルをベースにしたルームスプレーやアロマキャンドルなど、マインドケアのアイテムも揃える。内装は森をイメージして木材風のパイプで覆った。環境に配慮したパッケージは家具メーカーのカリモクと協業。家具を作る際に残った小さな木材を再生利用しており、インテリア雑貨のような落ち着いたデザインだ。店内でその木材となるナラの苗木を育てており、成長後に東北にある「バウムの森」に植樹する。

バウム

 「スノーピークニュウマン横浜」はスノーピークとして初めて女性を対象にした店舗。アウトドアギア小物や「スノーピークアパレル」だけでなく、20年春夏にデビューしたウェアブランド「ヤマイ」の全商品を揃える。インドの野蚕(やさん)シルクといった天然素材を使い、手織りや手刺繍、天然染料による手染めなどで仕立てた服で、自然志向のライフバリューを伝える。什器には、表面を剥離(はくり)して白木の状態にした古家具を採用。素材本来の味を生かすヤマイのコンセプトを反映させている。

スノーピーク

DtoCブランドのプラットフォーム

 5階の催事スペース、ニュウマンラボでは、ワールドが若手DtoC(メーカー直販)ブランドを集めた期間限定店「ニイヨンロクストリートマーケット」を開いている。昨年秋にワールド北青山ビルで行った新規事業で、外部出店は初。SNSやECを中心に販売するクリエイターやブランドに声を掛けて編集し、消費者へとつなぐプラットフォームとして運営する。

 今回は11ブランドが参加、アフリカ布製品「リッチーエブリデイ」、組み立てる指輪「マトラー」、フラワーデザイン「グイ」など独自のスタイルを持つ小物雑貨が充実、ウェアで「カーサフライン」「ラグタグ」「アールフォーディー」とスキンケア3ブランドが出展している。環境に配慮し、リユース可能な什器を使用している。7月9日まで。

ニイヨンロクストリートマーケット

ルミネ初のラグジュアリー充実

ストーリー大切に伝える

 ニュウマン横浜は、ルミネ初のラグジュアリーブランドの出店も目玉の一つだ。開発コンセプト「STORY…ING」に基づき、ブランドや企業が持っている歴史や背景を伝えたいという思いから、ストーリーを大切にするラグジュアリーブランドをリーシングした。1、2階に集積する。建築家の田根剛氏と共同で、それぞれのブランドがフィットする空間を設計した。

 特に多く揃ったのは、ケリングのブランド。「グッチ」「バレンシアガ」「サンローラン」「ボッテガ・ヴェネタ」の4ブランドが出店した。

 グッチは、1階にハンドバッグやスモールレザーグッズなどが揃うメンズとウィメンズの店「グッチショップ」と、ウォッチ&ジュエリーの店をオープンした。総売り場面積は250平方メートル。いずれも控えめなインテリアで、リラックスした空間が広がる。その中にグッチならではの折衷主義が散りばめられ、「好奇心のキャビネット」というコンセプトが表現している。グッチショップは幾何学的なモザイクの床がアクセント。

グッチ
グッチ

 ウィメンズとメンズのコンバインショップも多い。横浜初のバレンシアガは、きれいなティール色のカーペットが目を引く。メタルのテーブルやコンベアレールの洋服ラックを設置して、リテールウェアハウスのような空間に仕上げた。ウェアとシューズ、バッグが揃う。

バレンシアガ
「バレンシアガ」メンズフーディー9万5000円、キャップ4万1000円、シューズ「ゼン」5万9000円

 2階のボッテガ・ヴェネタは、横浜エリアで初めてフルカテゴリーを揃える。売り場面積182平方メートル。ウィメンズとメンズのウェア、バッグ、シューズ、ジュエリーなどが揃う。メゾンを象徴するレザーの編み込み、イントレチャートを思わせるエッチングを施したしっくいのウィンドーが特徴で、店舗の中を見渡せる開放的なデザインになっている。

「ボッテガ・ヴェネタ」チェーンバッグ40万円

 2階のサンローランも広い売り場。メンズとウィメンズのウェアをはじめ、バッグやシューズ、レザーグッズなどフルカテゴリーが揃う。「モンクレール」は横浜エリア初の男女コンバインショップ。165平方メートルの広い売り場に、ウィメンズとメンズが並ぶ。

 「ティファニー」は、最新のデザインコンセプトを導入した店をオープンした。入り口には、ウィートリーフのパターンが浮かび上がるティファニーブルーのパネル。白とベージュを基調とした壁面には、ニューヨークの街並みや創業者チャールズ・ルイス・ティファニーのアートワークを飾り、ブランドのルーツを感じさせる空間となっている。「ティファニーT」「ティファニーハードウェア」「ティファニーペーパーフラワー」に加え、エルサ・ペレッティやパロマ・ピカソがデザインした商品、ウォッチ、ホーム&アクセサリー、ブライダルリングなどを販売する。

ティファニー


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