21年に創業100周年を迎えた仏アウトドアブランド「ミレー」が、日本市場でじわじわと存在感を高めている。日本での成長を引っ張るのは、17年から日本法人の代表を務めるペア・ラスムセン氏。競争の激しいアウトドア市場で売り上げを伸ばせた理由は何か。そして、今後のアウトドア市場の可能性は――。世界的な消費財メーカーでの経験が豊富なペア氏に、考えを聞いた。
資源を集中投下 成長軌道に乗せる
――日本事業が急成長している。
社長に就任した17年に比べると、日本の売り上げは2.3倍、従業員数は倍に増えました。社員1人当たりの売上高も増えています。
17年から取り組んでいるのは、キーとなる商品に宣伝や営業の努力などを注ぎ込むことです。私たちのような規模の小さい企業は、あれもこれも手掛けることはできません。フォーカスする商品を一つか二つに絞り込み、労力と資金をそれに集中しないと伸ばすことはできないのです。
当時、キー商品に定めたのは、高機能防水ジャケットの「ティフォン」と、ベタつきや汗冷えを軽減するアンダーウェアの「ドライナミック」です。いずれのアイテムもイノベーティブであり、各カテゴリーで先行していたため、リーダーのポジションに立ち得る可能性がありました。
――コロナ禍では登山需要も大きく落ち込んだ。影響は大きかったのでは。
確かに新型コロナが流行した初年度である20年12月期は、前期比で20%ほど減収しましたが、次の年にはリカバリーしました。思うように販売ができない時期に、長期的なビジネスプランを立て、次に何をするべきか、社内のベクトルを重ねる作業を繰り返し、来るべき成長に備える準備をしていったのが奏功したのです。その後も順調で、今期は30%の増収を見込んでいます。
――販路別の売り上げ構成は。
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