マタニティー&キッズファッションの国際展示会、プレイタイム・パリ17~18年秋冬に、日本ブランドの海外進出をサポートするカシュカシュが、初めて5ブランドを1ブースにして出展した。日本ブランドの海外出展継続を目的に企画したもの。
出展者は経費と時間が軽減され、単独より広いブースのためコンタクト増にもつながり、中には仏大手オンラインショップからの打診もあった。バイヤーには窓口一本化による便利さも好評だった。
21回目のコレクションで初の海外出展となった「コキチカ」は、2人の男の子の冒険物語がテーマ。手編みのポンチョや「カシラ」と協業した帽子、定番のフォレストコート、日本でベストセラーのモケニットキャップなど、オリジナルテイストの強いアイテムを見せた。欧州バイヤーが高い関心を示したものの、価格設定が次回に向けて一番の課題となった。
コキチカ
同じく海外初出展のベビービブ(よだれかけ)の「ニヴァ」は、場所と目的に合わせたユニークなコンセプトとキュートなデザインのコレクション。中国や台湾、欧州のバイヤーからの問い合わせが続いている。
ミトン型のポケットを付けた撥水(はっすい)加工の無縫製ニットで2回目の出展に臨んだのは「カンフル」。欧州市場では機能よりも高い品質と優れたデザイン性が評価され、ウクライナから新規を受注し、オランダのエージェントとの交渉も進んでいる。
カンフル
「ヌヌフォルム」は、前回7月の初出展で課題だった価格帯を改善し、新規を米国、フランスから獲得した。中東は卸し先の調整が必要なほどの引き合いがあり、1件当たりの受注額も確実に増えている。欧州のエージェントと契約も交わし、同市場での展開が期待される。
「アーチアンドライン」は15年1月展に単独初出展して約50社から受注を獲得、毎回新規を伸ばし続けている。「キミのスタンダードは?」をテーマに、上質な1枚を引き立てるコーディネートをルックブック通りにラックにかけ、セット買いに導いた。取引先も定着し、イタリア、ドイツ、ウクライナへ新規を広げた。
(パリ=松井孝予通信員)