【プラグイン/エディトリアル】国内外ブランドとの出合いを

2025/04/10 06:25 更新


 国内外のライフスタイルブランドと新たな出合いを――コスメビューティー&ケアの合同展「クロスロード」が前回に引き続き、「プラグイン/エディトリアル」で開催されている。日本での認知度向上と本格的な販路開拓を目指す韓国や中国などのブランドが一堂に会す。自然由来の原料を使ったスキンケア商品やファッション感覚で楽しめる化粧品などが揃う。15ブランド(うち新規は9)が出展する。

(カッコ内はブース番号)

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コスメ・美容集積「クロスロード」 異分野が垣根超え一堂に

 クロスロードはメーカーの営業支援やブランド立ち上げ支援、商品企画・MD支援を行うインフィニート(東京、大木將光代表取締役)が主催し、今回で4回目。2回目まではネクタイメーカーのアイネックスのショールームで開いていた。

ファッション感覚で楽しむ

 「アクセサリーのように身にまとう」化粧品を提案するのは、中国発の「FANCYCUBE」(ファンシーキューブ、CR-01、02、03)だ。ころんとした小さな透明のキューブの真ん中で、顔やボディーに使えるメイクバームが輝く。グロスはみずみずしく柔らかな艶感があり、ハイライトバームは落ち着いた光沢を放つ。ブランドは中国で10年以上、メイクやファッションの分野に携わってきたプロデューサーが企画している。自社で研究開発を行い、安全性を徹底している点も売り。日本ではインフィニートを通じて販売している。

小さな透明のキューブにメイクバームを詰め、ファッション感覚で楽しめる(ファンシーキューブ)

 韓国発の「SCENTICA」(センティカ、CR-08)は香りに特化したライフスタイルブランド。「日常に香りを残す」をコンセプトに、「無数の記憶と感情を印象付ける香りの力」を伝える。8種類の植物性オイルと水分をバランスよく配合したヘアミストや、植物由来の成分が肌に優しくなじむハンドパフュームなどがある。ディフューザーは自然に着想した香りが空間にぬくもりを与える。韓国内に自社工場があり、香りは自社の調香師が生み出す。日本での販売はこれからで百貨店やセレクトショップを狙う。

韓国内の自社工場でフレグランスやディフューザーなどを作る(センティカ)

環境配慮の原料、生産法

 韓国発のスキンケアブランド「TOUN28」(トーン28、CR-09)は16年に設立し、日本では洋光(東京)が総代理店となり販売している。環境に優しい製法を徹底し、動物由来の成分を一切使わず、有機植物や野生植物を主原料に使う。韓国の南西端に位置する海南群にツボクサを無農薬で育てる自社農場と研究所がある。容器はプラスチックの使用を極力抑え、ハンドクリーム用に再生可能な紙パッケージを開発した。アイテムは他に、シャンプーバーやボディースクラブ、化粧水などがある。

韓国内の自社農場で育てたツボクサで生産するスキンケア商品が売り(トーン28)

 自然派洗剤「Soaply」(ソープリー、CR-06)は、東南アジアの指定工場で生産するソープナッツ(ムクロジの実)で作る。オランダで13年にソープナッツの販売から始め、17年からはソープナッツを主成分とした製品の開発、販売をしている。ソープナッツには天然の界面活性剤が含まれ、水で泡立てて衣類の汚れを浮かせて洗い流す。97%以上が植物由来成分で、敏感肌やアトピー、アレルギーを持つ人も安心して使えるという。国際認証も取得済み。ハンドソープもあり、アパレルに訴求したいと考える。

ソープナッツを主原料にした洗剤をアパレルに訴求する(ソープリー)

 「ファッションとビューティーというように、異なる分野が垣根を越えて融合するような商品を世の中に広げたい」とインフィニートの大木代表取締役。前回は、ブースを訪れた来場者が自社の担当バイヤーに情報を伝え、商談につながった事例もあったという。日本で認知がまだ低いブランドをバイヤーに知ってもらい、販路を広げる機会になればと期待する。

目立つ新興ブランド 上質、使いやすさで拡販を目指す

 初お披露目のブランドや日本への進出を本格化する海外勢など、新興の事業者の出展が目立つ。有名メゾンで経験を積んだデザイナーによるウィメンズウェア、大人好みの上質なバッグなどが充実する。

 「ヨシノリミヤザキ」(H-36)は25年秋冬にスタートしたウィメンズブランドだ。デザイナーの宮崎能典さんは、「ハナエモリ」出身。大手アパレルのマーチャンダイザーなども経験した。オートクチュールの技術を生かした、女性の体を美しく見せるシルエットを得意とする。素材は基本的に国産で、日本の優れた職人と協力しながら服を作っている。

 25年秋冬のイチ押しは、尾州産地のツイードで仕立てたボマージャケット型のブルゾン(税込み12万9000円)だ。古い織機でリボンテープをループ状に織り込み、手作業でカットしたシャギー感のある見た目が特徴。ハードなイメージになりがちなミリタリーアイテムを、上品にアレンジしたかったという。

尾州のツイードでボマージャケットを上品に(ヨシノリミヤザキ)

 スーツ用のウールで作ったオールインワンは、パンツ部分に入ったタックがエレガントな印象だ。テーラード襟になっており、マニッシュな雰囲気で着られる。11万9000円。

オールインワンはウエストシェイプの美しさも自慢(ヨシノリミヤザキ)

 今後は自社ECを主販路としつつ、セレクトショップへの卸や百貨店などへの期間限定店での拡販を狙う。

 香港発のバッグとウィメンズウェア主力のブランド「フューチャークラシックス」(H-34)は、シンプルで上質ながら買いやすい価格が魅力だ。スタートは23年。香港では有名セレクトショップで取り扱いがあり、すでに知名度が高い。25年に日本に進出し、百貨店での期間限定店を主販路に販売している。

 バッグは本革を使ったしっかりとした作りで、落ち着いた色が多いことから大人層から支持されている。中心価格は2万~5万円と手に取りやすく、20代にも売れている。ボート形のショルダーバッグが特に人気だ。アパレルの価格帯は1万~4万円。きれいなカジュアルテイストで、バッグと同じく、年齢問わず着られるシンプルなアイテムが多い。

ボート形のトートが年齢問わず人気(フューチャークラシックス)

 日本では今後、地方店を含む有力セレクトショップなどへ卸を拡大したいという。

服とバッグをトータルで提案できる(フューチャークラシックス)


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