ジーンズカジュアル専門店のライトオンがベーシック商品の抜本強化で、今秋冬も売れ行きが好調だ。9、10月は全店合計の売上高が2ケタ増となる中、売れ筋はこれまで不調だったベーシックなインナー類に移っている。改革のポイントは「データとトレンド指向からの脱却」。14~15年秋冬から商品部はデータ重視を見直し、経営陣も売り場に率先して立つようになり、消費者の嗜好(しこう)を捉えた商品開発が徐々に進んでいる。
ここ数年、売り上げが縮小する中で同社が陥っていたのが「データとトレンド指向」だ。05年にPOS(販売時点情報管理)と毎日配送の物流システムを導入し、データに基づき売れ筋を切らさない体制をいち早く築いた。しかしデータを重視するあまり、ここ数年は前年実績重視となり、その一方でバイヤーはトレンド情報を意識した。「アイテムはベーシックでも、細かなところにデザインや遊びを入れた商品が多くなっていた」(中野聡取締役商品本部長)という。