スニーカービジネスの今はどんな状況で、今後どうなっていくのか。ライフスタイル、パフォーマンス市場を知るキーパーソンに語ってもらった。
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東南アジアに商機、次世代に文化つなげる
「アトモス」随一のヒットメーカー、小島奉文さん
マーケット全体を俯瞰(ふかん)すると、22年までの3、4年はバスケシューズがスニーカーブームをけん引していましたが、22年以降は色々なジャンルに分散し、今に至っています。「オン」「ホカ」「サロモン」が人気なのは、目新しく、未来の匂いを感じさせるからでは。ソールやアッパーも面白く、ランニングシューズとしてはもちろん、ファッションとしても活用できます。これまでスニーカーというと米国ブランドが中心でしたが、今は欧州ブランドが元気ですね。
日本のスニーカー市場は落ちついていますが、東南アジアは競合がおらず、事業拡張の可能性を感じます。現在、現地企業との合弁などで、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンに進出しており、今後3年で5店を新規出店します。
日本では今後3年で全30店を全面改装します。これまでアトモスでは1万円の靴を数多く売る戦略でしたが、今後は意識的に客単価を上げ、憧れのショップにしていきます。その一環で、アトモス千駄ヶ谷をトップ・オブ・トップの店として3月末に改装開業します。ラグジュアリーブランドのシューズを取り扱い、高級感を出します。
現在、実店舗とオンラインの売り上げは半々です。デジタル販売が増えるなか、毎月数回のペースで開く実店舗でのコミュニティーイベントは継続しています。地方店含め各回30~50人規模で、費用対効果は低いのですが、こうした血が通った企画を通じてお客様とのつながりを強めたいのです。
世界的に見ると、日本はスニーカーカルチャーを作った国と言われています。これまでは40~50代が中心となり、その文化を作ってきましたが、次世代に継承するため、良い靴の基準やその歴史などを伝えていきたいと思っています。
(フットロッカーアトモスジャパンアトモスディレクター)
クッション重視にシフト
400万人が登録するランナー向けサイトを運営 黒崎悠さん
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