《SHIBUYA109ラボ所長の#これ知ってないと気まずい》若手社員の行動傾向 調和を乱さないことが第一

2025/04/09 06:27 更新


 新年度が始まり、新入社員を迎え入れた方も多いのではないでしょうか。「若手社員との向き合い方」について、悩みが尽きない方もいるでしょう。SHIBUYA109ラボでは「消費者としての行動傾向」と「働き手としての行動傾向」について調査をしていますが、若者には共通する特徴が見られます。

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新しい行動の前に正解を知りたい

 例えば、若者はメイクの方法や勉強の仕方など何か新しい行動をする際には、動画で事前に情報を得たうえで実践します。働き手としても、業務においてマニュアルを求める傾向が見られますが、「正解を知った上で取り組みたい」と考える姿勢が共通しています。

 また、SNSを通じた情報収集は基本的には受動的であり、必要な情報が自然と入ってくる環境です。仕事においても、指示された業務に対してはしっかり応じてくれるものの、能動的な行動につながるまでは少し時間がかかる傾向が見られます。

 職場の人間関係に対しても特徴が見られます。私たちの調査では「説明会や選考の中で『こんな会社は避けよう』『受けるのをやめよう』と感じた企業側の言動」として「アットホームな職場」という回答が多くみられました。これは、人間関係の距離感を自ら調節できない職場環境に対する抵抗感が背景にあると考えられます。消費者としての彼らは、話題によって共有する相手やSNSのアカウントを変えるなど、コミュニケーションにおいて相手との距離感を意識的に調節しています。

 さらに、個よりも集団との調和を重視する意識が強いことも分かっています。『SHIBUYA109lab.トレンド予測2025』では、「耳つぼジュエリー」や「ティースジュエリー」など、1週間~2週間くらいで取り外せて気軽に楽しめるジュエリーアイテムがランクインしました。

大勢の前で褒められたくない

 ギラギラとしたポジティブムードを楽しみたいけれど、周囲との調和を乱さないことを第一に考えているからこそ、さりげなくギラギラするアイテムを求めているのです。仕事においても「大勢の前で褒められたくない」と回答した人が62.7%にのぼり、「個として目立つことを避けたい」「集団の一部としていたい」という意識が表れています。

 若手社員に対して「なぜこうした行動をとるのか」と疑問を抱く場面では、彼らの消費者としての傾向に目を向けてみると、理解に近づけるかもしれません。

長田麻衣(おさだ・まい) シブヤ109ラボ所長。総合マーケティング会社で、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て現職。毎月200人の若者と接する毎日を過ごしている。好きなものは、うどん、カラオケ、ドライブ。


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