イタリア製の靴の勢力図が大きく変わってきた。9月に開かれた国際靴見本市ミカムミラノは、見本市が始まってちょうど50周年の記念の回。高級品と言われてきたイタリアの靴を取り巻く環境の変化とともに、企業の浮き沈みを感じさせる節目となった。
(須田渉美)
中小の淘汰進む
主催するイタリア靴メーカー協会によると、来場者数は合計4万4076人。仏、独など主力の欧州市場のバイヤーの来場が回復、デザイントレンドよりも品質や機能性でいかに差別化できるか、卸ビジネスの生命線をかけた商談が繰り広げられた。
出展企業数は合計1303社。過去5年で250社近く減ったが、EC市場が急速に拡大し、大手メーカーが製造小売りを中心とするリテール事業へと舵(かじ)を切るなか、太刀打ちできなかった中小企業の淘汰(とうた)が進んだ結果で、悪い数字ではない。「靴の商談を真剣にできるのはここしかない」と、フランスの靴専門店のオーナーは断言する。数年前までトレンドリサーチで来場していた日本人の姿は見なくなったが、靴専門店や百貨店のバイヤーの品定めに真剣味が増している。
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