アーカイブオブカレッジ(AoC)は、団体の目的を「服から芽ざす学生間のつながりを」としている。設立は22年。現代表の町田翔映さん(早稲田大学文化構想学部2年生)の先輩が別の団体から独立して結成し、まだ3年目と歴史は浅い。
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自由なコミュニティー
活動の中心は、学生のリアルな視点によるファッションスナップやインタビュー記事のインスタグラムへの投稿。つながりを広げるため、他の学生団体と合同でのフリーマーケットや新歓パーティーなども行っている。今後も「ウェブメディアとして幅広い活動をしたい」という。
ファッションを題材にしたスナップの多くは「大人が選定し、自分たちのリアルな視点がない」ことに注目。インスタグラムでの投稿は週に1回程度で、古着店を経営する学生へのインタビュー動画なども投稿している。
町田さん自身は「ずっと古着が好き」で、オンラインと期間限定店で古着屋を運営している。タイでは「古着のメッカ」とも言われるカンボジア国境に近いロンクルア市場に、大学の休みを使って買い付けに行く。ただ、ファッションのトレンドにも関心はあるが「ファッションはあくまで趣味」と割り切る。
服飾系学生団体の多くはショーや雑誌の製作を活動のゴールに設定する。しかし「メンバーの熱量の違いや、作品の制作や発表にかかる経費負担の高さ」から、団体を離れる学生も多い。町田さん自身もそうした経験があり「もっと自由にコミュニティーを作りたい」とAoCに移った。
合同フリマや新歓も
昨年は「サークルがなくなるかもしれない」という危機感が強まった。メンバーは現在40人を超え、そのうち早大の学生が3~4割で「名古屋の学生も参加している」。ファッションが好きな学生が大半で「ファッションの写真を撮影したい」「動画を作りたい」「パーティーを行いたい」など要望は様々。そこで、改めて「部員一人ひとりがやりたいこと」を見直して方向性を確認した。
つながりを広げる活動では、別の学生団体に呼び掛け7、8団体合同で「原宿や渋谷などでわいわい集えるフリマ」を2~3カ月ごとに開催している。
今年3月に初めて開いた、新入生歓迎を兼ねた西麻布でのパーティーには200人を集めた。12月に集中する学生団体の発表の場を「学生ファッションウィークとしてリポートしたい」という。そのほかにも学生向けのイベントや就職説明会などにも取り組みたい考えだ。
(矢野剛)