百貨店ヤング売り場の11月商戦は、気温が低下した下旬からコートが動き出した。昨年はコートが不振だったため、大半が売り上げを伸ばした。コートに合わせるボトムはパンツよりスカートの方が多い。(価格は税込み)
■伊勢丹新宿本店「イセタンガール」
ブランドらしさに支持
コートの売り上げが前年同月比5%増と健闘したが、もう少し伸ばしたかった。ニットやドレスは苦戦したが、10月まではコーディガンなどの中間アウターが好調だった。コートのプライスライン(最多販売価格)が4万円台後半とヤング層には高いため、売れているコートは「ブランドのらしさが明確に表現されていて、他にないアイテム」。オーバーシルエットなどトレンド感のあるものは「ファストファッションで買っているのでは」と分析する。
「トゥービー・バイ・アニエスベー」はアイコンとなっているビビッドな赤いウールコート、「ドーリーガール・バイ・アナスイ」は装飾的なボタンのダウン、「トッカ」は春にも着られる色が支持され、良く売れた。昨年はパンツ一辺倒だったボトムは、今年はスカートに逆転。ミモレ丈が中心で、ロング&リーンのシルエットを作るのが引き続き好まれている。
■阪急うめだ本店
スカートに合わせやすい丈
売り場面積は前年から減少したが、売り上げは健闘した。好調アイテムはコート、ニットトップ、スカート。フェミニンに見えるファー付きウールコートが売れ筋で、「アプワイザー・リッシェ」ではファーやビジューが取り外せるフォーウェー、ファイブウェーコートが好調。
全体的にファー付きやガウン風などきれいめに見えるデザインが人気で、色もピンクベージュなど淡い色が中心だ。丈は昨年より7、8㌢長く、スカートと合わせやすい長さが選ばれている。ニットは、アプワイザー・リッシェの胸元がハート型になったプルオーバーや、「リリーブラウン」の花柄刺繍のプルオーバーがいい。ベルスリーブのデザインも、トレンド感があるため動いている。スカートはイレギュラーヘムのボリュームタイプが良く、トップはタイトなものを合わせて、フィット&フレアの着こなしが支持されている。
続きは繊研新聞(2016年11月30日付9面)をお読みください