先日、兄と記者の家族で久々に外食に出掛けた。兄が選んでくれたのは、産地や旬の素材にこだわった和食と、焼酎などを提供する和み系ダイニング。心のこもった料理、目利きの店長お薦めの酒の品揃え、丁寧な接客など、どれも満足できる素敵なお店だったが、最も印象に残ったのがお箸。テーブルに座ると、各自の席に家庭などで使う木製の箸が、ビニール袋に入った状態で置いてあり、「持ち帰って家でも使って下さい」とのこと。国産の良質な木材で作ったものだそうで、よく見ると袋に「おもてはし」と印刷してあった。
洋食系ではフォークなどと一緒に洗える箸が出てくるが、和食や中華でよく使われるのは割り箸。使い捨ての割り箸の大量消費が森林破壊や温暖化の一因と批判されたり、間伐材や端材で作れば問題ないと議論になることも多いが、持ち帰れるサービスを体験したのは初めて。一度、床に落としてしまったが、洗ってくれた自分の箸を最後まで使い、自宅に持ち帰った。
ちょうど買い替え時期だった夫は、お土産の箸を家で使用中だ。国産の箸でもてなし、捨てずに大事に使ってほしいという発想に感心するとともに、環境意識の広がりを改めて実感させられた。
(陽)