環境配慮をうたう商品やサービスが、ここにきて一段と増えた印象がある。ただ、各企業が良かれと思って取り組むエコ活動が、思ったほど環境効果をもたらしていないという指摘が研究者などから出始めている。
例えばエコバッグ。一般的なレジ袋に比べ、製造段階で50から150倍もの温室効果ガスを排出するため、一つのバッグを50~150回以上使わなければエコといえないそうだ。リユース可能な食器も、一定の段階までは使い捨てのプラ品のほうが環境負荷は小さいという。
では業界はどうすればいいか。大事な視点は、原料の調達から輸送、製造、消費(洗濯などの使われ方)、廃棄という〝製品の一生涯〟を通じて、どれだけ温室効果ガスが出るかを測定し、環境への影響を可視化すること。そして、製品のライフサイクルのなかでどれくらいの環境インパクトを低減できるか、取引先や消費者に明示することだと思う。今進めているエコな商品やサービスが、本当に実態を伴うものか、いったん立ち止まり、まずは測定から始めてはどうだろうか。
(潤)