《視点》サバイブする力を磨く

2022/11/25 06:22 更新


 身売り、合併、事業譲渡…ある日突然、自分の勤めている会社のオーナーが変わってしまうことをニュースで時々目にする。直近だとイーロン・マスク氏がツイッター社を買収し、従業員の約半数を解雇したことが話題になった。

 事業環境が急速に変化する昨今、企業規模の大小や業種を問わず、同じようなことがどこの会社で起こってもおかしくなく、働く者にとってはいつ何時、突然の嵐に襲われるかもしれない。

 あるメーカー系商社の社長を取材した時のこと。経営や事業の戦略を一通り話してくれた後、「私が考えている本当のテーマは、従業員が食いっぱぐれないようにすること」と語ってくれた。商社では近年、旧三井物産アイ・ファッションと日鉄物産の繊維事業を統合したMNインターファッションの発足や、住友商事子会社だったスミテックス・インターナショナル(現STX)が蝶理傘下に入るなど、繊維関連の再編が続いている。

 その社長の話の意図は、自社の従業員が成長して高いスキルを身に着けられれば、たとえオーナーが変わったとしても重宝される人になれるということだった。働く者にとっては、嵐が来る前に転職や起業するという選択肢もあるのかもしれないが、今の職場で成長することがサバイブする力を磨くことにもなる。

(恵)



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