《視点》非効率や不便さを

2024/03/01 06:23 更新


 オンライン技術の進歩によって、より便利になり、仕事の効率も上がっている。だが、「今は苦労なく色々な情報が得られる」と懸念する声も聞く。便利なものは使うべきだが、簡単に情報が得られることでスキル向上や探求心が失われるのを危惧しているようだ。

 今やネットで世界中の面白い店やブランド・商品が探せ、内容や問い合わせ先も分かる。だが、ネットの情報は周知の事実で、それを活用しても差別化につなげにくい。現地に足を運び会話することで、隠れた店や商品を発掘でき、素材や物作りの知見も高められる。スキルが上がることで、素材感などのニュアンス的な交渉もでき、オリジナリティーにもつながる。

 また、ネットでは知りたい情報しかクリックしない傾向になり、情報の広がりがなくなる。敬遠されがちな紙媒体などは何げなく眺める中で関心がなかった情報も目に入り、そこにヒントも。時間的な効率は大事だが、個性や多様性を求める時代には非効率や不便さから得るものも大事になっていると感じる。

(伸)



この記事に関連する記事