ワールドは、15年度に過去最大規模となる構造改革を実施する。不採算の10~15ブランドを廃止、400~500店規模の不採算店舗を閉鎖するなど「コスト削減の徹底・完遂」に取り組む。一方、EC事業を強化するほか、好調ブランドについては拡大するなど「既存事業の選択と集中」を進める。一連のコスト削減効果で、16年度で営業利益100億円超と14年度実績の倍増を見込む。なお、6つのプラットフォーム(PF)部門の精度向上には継続的に取り組み、17年度以降の事業拡大につなげていく。
■10~15ブランド廃止、400~500店閉鎖
休止するブランド、閉鎖店舗の立地となどについては明らかにしていない。14年度末の連結ベースの国内直営店数は2842店。“ブランド転換”もあると見ているが、1割以上を閉鎖することになる。基本的には15年度中の完了を見込んでいるため、今秋冬から具体的に進んでいきそうだ。また、14年度末で1万4742人(連結)の期末従業員数の削減については、「現状は何も決まったことはない」(上山健二社長)としながらも「固定費のスリム化には一切の聖域を設けない」としている。
■店舗数ありきでない事業モデルへ
今回の構造改革は、「店舗数拡大=売上高と利益の拡大」といった構図が成り立たなくなってきていると見ているため。EC事業の強化など「店舗ありきではない」事業推進に転換していく方針だ。EC事業は、現状130~140億億円規模のワールドオンラインストアの売上高を当面300億円規模にしていく。ブランド軸でのサイト運営の強化に取り組むほか、「EC主導ブランド」の構築も検討している。
なお、近隣小商圏型SCで店舗展開している「シューラルー」、百貨店SPA業態の「リフレクト」、駅・ファッションビルで出店している「インデックス」は事業拡大していくブランドとしている。このほか、卸事業については「下げ止まっているブランドが出てきた」こともあり、現状の卸ブランドについては今後も維持していく。FC事業も維持・拡大の方向。
戦略部門と位置づけている各PF部門については、商品業務管理では粗利ロス改善、生産業務管理では原価率の改善などに取り組み、生産から販売までを「真の意味で一気通貫」体制の確立を目指す。