記者の目

繊維・ファッション業界の現場を取材する記者による解説企画。日々の取材に基づく事実と知見をもとに、そこから見えてきた課題や兆しにフォーカスし、独自の分析や提言を行います。表層的なニュースでは捉えきれない産業構造や動向を読み解き、業界の明日を考えるためのヒントや、ビジネス判断の一助になることを目指します。

【記者の目】厳しさを増すアパレル・雑貨の卸売り事業 創業の原点に立ち返り深掘り

2025/01/06

 卸売り事業はアパレルもファッショングッズもオールドビジネスの代表とされ、総体として厳しい。コロナ下でECシフトが加速し、様々なコスト増もあり、環境はさらに厳しくなっている。こぢんまりと利益重視でという手法はあるが...

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【記者の目】アパレルと飲食の協業増える 食のファッション化が進む

2024/12/23

 ファッションと飲食の協業が増えている。SNSで、おいしくて〝映える〟飲食店が注目され、若者を中心にライフスタイル全般をファッションとみる感覚が一般的化した。そうした中、ファッション業界各社は、人気の飲食店との協業...



【記者の目】高価格帯ブランドの開発が進む総合アパレル 期間限定店で手ごたえ

2024/12/16

 23年秋ごろから総合アパレルメーカー各社が販売を始めたレディスの高感度な高価格帯ブランドが、着実に認知を広げている。これまで以上にデザイナーやディレクターの感性を重視したブランド作りに挑んでいる。販売戦略では大量...



【記者の目】PFAS規制の影響 対応は不可避、早めの準備を

2024/12/02

 PFAS(有機フッ素化合物)への懸念が高まっている。米国や欧州では広範囲のPFASを規制する流れが強まり、グローバルアパレル企業は先取りして対策をとっている。最近になって日本国内でも河川などのPFAS汚染が報じら...



【記者の目】百貨店はSC化しか道はないのか 効能と課題を探る

2024/11/25

 百貨店の専門店導入の動きが止まらない。全ての売り場を専門店テナントに切り替え、SCに転換した百貨店も増えてきた。〝SC化〟しか施設活性化の道はないのか。百貨店部分を残しながら、23年10月にSCに施設名称を変更し...



【記者の目】販路広げる海外ブランド 既存客に加えて新たな層に発信

2024/11/18

 価値あるアイコン商品を持つラグジュアリーブランドがここ数年、販路を広げている。キャメルカラーのカシミヤコートが人気の「マックスマーラ」、レザーバッグのバリエーションを増やす「トッズ」、エレガントなウェアを得意とす...



【記者の目】リペアとビジネスは両立するか 新製品は売りづらくなる?

2024/10/28

 アウトドアメーカーで、製品の長期使用を消費者に促す取り組みが広まっている。リペアサービスの拡充や、製品ケアの啓蒙(けいもう)、中古品の販売などがそれにあたる。「良いものを作り、小まめにケアや修理をしながら長く使っ...



【記者の目】次に狙うべき市場はどこ? 有力アパレルや商社の海外戦略から考える

2024/10/21

 国連によると世界の人口は2080年半ばごろまで増え続け、現在の82億人から103億人ほどになる見通しだ。人口動態が変われば市場も変わる。人口が減っていく日本を飛び出し、世界に打って出るとすれば、どの市場を狙えば成...



【記者の目】大手百貨店の外商改革 「顔の見える客」に資源集中

2024/10/07

 大手百貨店の23年度外商売上高はコロナ禍前の19年度を上回り、過去最高の水準に達した。ラグジュアリーブランドや時計・宝飾品などの高額品の需要が押し上げ、希少性、独自性がある商品や個別対応のサービスが顧客の支持を得...



【記者の目】国内縫製工場アンケート調査から考える 工賃アップのために何をすべきか

2024/09/30

 9月10~20日に計8回、本紙で「国内縫製の今と未来~工場へのアンケート調査から」を連載した。国内の縫製工場に回答してもらったA4サイズ2枚、計59社から集まったアンケートをベースに24年春夏物受注結果・24年秋...