記者の目

繊維・ファッション業界の現場を取材する記者による解説企画。日々の取材に基づく事実と知見をもとに、そこから見えてきた課題や兆しにフォーカスし、独自の分析や提言を行います。表層的なニュースでは捉えきれない産業構造や動向を読み解き、業界の明日を考えるためのヒントや、ビジネス判断の一助になることを目指します。

【記者の目】入学者減少傾向が続く服飾系専門学校 新しい学科やコースの特徴は?

2024/09/02

 服飾系専門学校ではコロナ禍以降、入学者の減少傾向が続いている。少子化による18歳人口の減少と大学志向の強まり、アパレル産業の不振を背景に苦戦気味。入学者確保のため、ファッション業界と社会全体のビジネス環境の変化に...

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《記者の目》商業施設の全館セール再考 時期とあり方の見直し検討を

2024/08/26

 商業施設の全館セールの勢いが全体として低下している。今夏も多くの施設がセール期間中の売り上げを伸ばしたが、「以前のような爆発力はない」という施設がこれまで以上に増え、実需に対応したプロパー品を強化した店舗や、セー...



【記者の目】輸出機運の高まる日本製ブランド 企画で重視すべきポイントは?

2024/08/05

 メンズカジュアルをはじめとした日本製ブランドの海外輸出の機運が再び高まっている。コロナが終息し、海外へ営業できる機会が戻り、円安の追い風もある。販路を広げるために、企画で重視すべきポイントは何だろうか。評価の高い...



【記者の目】サステイナブル施策が進展するには? 欧州連合の動向に注目

2024/07/29

 欧州連合議会は4月、企業活動による人権や環境への悪影響を予防・是正する義務を企業に課す「コーポレート・サステナビリティーデューデリジェンス指令」(CSDDD)を採択した。世界のサステイナブル政策をリードする欧州連...



【記者の目】ドレスは下火なのか? 着回せる付加価値が重要

2024/07/22

 レディス市場で、ドレスの需要が減少してきている。ドレスは、ドレスのように見えるトップとスカートのセットアップや、ドレスと軽い羽織りのセット販売に進化。「合わせて着ると一枚のドレス風。別々でも活躍する」ものが増えて...



【記者の目】秋冬偏重型ブランドに転換期 長い夏と暖冬に備えるMDへ

2024/07/08

 アパレル業界でシーズンMDの見直しが進んでいる。夏は酷暑で長く、冬は暖冬で寒い時期が短い。従来のシーズン区分が通用しなくなったことで、秋冬物偏重型の商品構成をしてきたほとんどのブランドは、大きな転換期を迎えている...



【記者の目】コロナ後の子供服ブランドの作り方 「N=1」の熱量をそのまま

2024/07/01

 「プティマイン」(ナルミヤ・インターナショナル)の登場が子供服市場の勢力図を塗り替え、はや13年。子供服専業企業の主力ブランドは、立ち上げから10年、20年が経ち、次なるブランドが育っていない。これまで様々な策が...



【記者の目】人手不足が深刻化する国内繊維産地 移住者取り込みへ発信を

2024/06/24

 国内繊維産地の人手不足が深刻化している。特に産地の分業を支える中小規模事業者で担い手が減っており、この傾向が続けば産地内での分業体制やサプライチェーンは維持できなくなる。コロナ下で広まった「地方移住」に注目し、打...



【記者の目】和装の生産基盤が極端に縮小 業界の対応が急務に

2024/06/17

 和装の生産構造が大きな転換期を迎えている。市場がピークを迎えてから半世紀にわたり縮小が続いてきた業界だが、コロナ禍による自粛期間からの回復を図ろうという段階で、生産基盤の極端な縮小というかつてない急激な変化を迎え...



【記者の目】新規客開拓に挑む大手セレクトショップ 個々の好みにアプローチ

2024/06/03

 大手セレクトショップが新規客の獲得に乗り出している。創業時から成長を支えてきた主力業態の顧客年齢層が上がっており、若年層の取り込みが目下の課題だ。情報収集の手段が多様化し、ファッションの好みも細分化しているため、...