レトロなフォルムやリッチカラー
モデレートゾーンのインポートバッグは、買いやすい定番などの売れ筋ゾーンから次のステージへ踏み出そうとしている。16~17年秋冬は、よりファッション性のあるデザインと、ラグジュアリーへの一歩となる大人っぽさを強調する。カラーでトレンド感も出している。
これまでとはちょっと違った雰囲気のモデルでブランドの新しい一面を見せるのは「フルラ」。ロックやポップのミュージックシーンから発想した楽しいデザインが目立つ。「クラブバッグ」と名づけたクロスボディーのバッグは、ショルダーベルトがギターの肩ストラップのイメージの太幅。一部分チェーンになった細いストラップも付いていて、表情を変えることもできる。フラップをカットワークとアイレットでレースのように飾ったチェーンショルダーのメトロポリスも押している。
「ロンシャン」は、定番モデルのリニューアルやトレンドを感じさせるカラーでレザーバッグを新鮮に見せる。アーバンネイチャーのテーマの下、ベジタブル、アニマル、ミネラル(鉱石)の三つのグループでカラーを変化させていく。ベジタブルでは、「カリー」(カレー)と名づけたからし色やブラウンが大人っぽい。人気モデルの「ペネロペ」や「ロゾ」にのせた。そのロゾはラウンドを利かせ、コバの部分の表情も変えて、この秋にリニューアルした。クロコダイルの型押しがイチ押しだ。7月のパリ祭を記念した「ル・プリアージュ」のネイビーのフェルトバージョンのほか、10月には20万円台後半の上質な新型も出す予定だ。
「ケイト・スペード・ニューヨーク」は、可愛いイメージだけでなく、様々なライフスタイルにアプローチしていこうと、今回はプレゼンテーションで発表した。ニューヨーク・コレクションで見せたように、レトロでロマンティックなウエアとともに新しさを強調した。バッグは、淡いパープルのバラのプリントドレスとお揃いの柄のサッチェルバッグ、踊り子が持って振る羽根の扇のようなクラッチなど多彩。丸みのあるクロスボディーのフラップバッグ、ビンテージ風のクラシカルな形のハンドバッグも。どれも使いやすく配慮されている。
「アンテプリマ」のコレクションラインは、ジャクリーン・オナシスをイメージした。クラシカルなスクエアフォルムが60~70年代を思わせる。カラーは深いパープル、グリーン、イエローが象徴的で、その色味はトレンドを感じるとともにレトロな味。ショルダーも付いたウォレットバッグは、ボールの形のゴールドの留め具がポイントだ。鈍い輝きのゴールドやマットな白、ピンクベージュの横型バンドバッグなどもある。