中国の「618商戦」がヤマ場 アリババはARを駆使

2019/06/18 06:28 更新


 【上海支局】上期ネット商戦で最大のイベント「618商戦」がヤマ場を迎えた。同商戦は京東が10年に同社設立記念日の6月18日にセールを行ったのが始まり。現在はアリババが提唱して始まった11月11日(独身の日)に次ぐ規模になっている。独身の日と同様にアリババグループ、蘇寧なども参加している。

 上海市内でも京東とアリババが大々的に宣伝をしており商戦を盛り上げている。上海はアリババの本社がある杭州に近いためか、今年はアリババの宣伝が昨年より目立っている印象がある。

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 そのアリババは「理想生活」をテーマに掲げ、ゲーム性のあるコンテンツやライブ(直播)配信を充実し、消費者が楽しく買い物できるようにしている。中でも力を入れているのが「オンラインとオフラインのギャップを小さくすること」(陳曦アリババグループEC事業・天猫総経理)。

 オフラインと同様に化粧品は成長分野の一つ。そこではAR(拡張現実)を積極的に活用している。消費者がアプリから該当商品を見るとき「お試し」ボタンをクリック、スマートフォンのカメラで自分の顔を画面に映し、画面上で口紅などの色を自由に変え、店頭と同じような体験ができる。

 5月に天猫に出店したアルビオンは、地方都市での認知度向上を目的に618商戦に参加する。昨年の独身の日商戦では「6時間で売上高1000万元を突破した。その時に中国市場に合う商品も分かった」という。

 日本でアルビオンはセールをしないため、「今回の商戦参加は販路開拓と位置付けている」(ジェネール・ワン・アルビオン海外事業部総経理)。オフラインでは、同ブランドの魅力を深く知ってもらうため実店舗への来店を促すように工夫する。

 また直営店では日本と同じようなサービスが受けられるようにする。



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