毛髪製品製造販売のアートネイチャーは、SCなどの商業施設に既製品の女性用ウイッグショップ「ジュリア・オージェ」の出店を進めている。15年3月期に27店を出し、今期は10~15店の出店を計画、計90店を目指す。08年に出店を開始し、親子や友達連れなどの来店が増えており、「手応えを感じている」(佐竹圭介取締役兼上席執行役員)として出店を加速させる。
同社はオーダーメードのメンズかつらとレディスウイッグが主力だが、もっと気軽にウイッグを楽しみたい大人の女性に向け、上質な既製品ウイッグ業態の出店を強める。15年3月期のジュリア・オージェの売上高は前期比20.6%増の35億8300万円で、今期は45億円を目標とする。
前期の期末店舗数は78店で、SCやファッションビル、GMS(総合小売業)、百貨店、路面に出店している。平均店舗面積は約50平方で、今期はすでにイオンモールの沖縄ライカムや日の出、ゆめタウン廿日市など5店を出店している。40歳以上を中心顧客に、価格は3~30万円。ベースの大きさやカラー、毛の長さ、分け目などの組み合わせ約300種類から選べる。オーダーメードで培った商品力や美容師免許を持つスタッフによるカット調整、1年間12回の無料メンテナンスセットなどの差別化も強みになっている。
特に地方は幅広い世代が集まり、身近に来店しやすいSCやGMSへの出店が増えている。当初は比較的値頃な価格帯が多い施設への出店に「心配な面があった」という。しかし、ファッションを楽しみたい女性に支持され、商業施設の集客要素や魅力の一つになっている。