政府は11月21日、物価高などを踏まえた総合経済対策を閣議決定した。近く策定する25年度補正予算を中心に国費などで昨年秋の経済対策の14兆8000億円を超える21兆3000億円を計上した。地方歳出、民間支出などと合わせた事業規模は42兆8000億円。「生活の安全保障・物価高への対応」「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」と米国の追加関税措置への対応を含む「防衛力と外交力の強化」を対策の「三本柱」とする。
生活安全保障・物価高対応では電気・ガス料金の負担軽減支援のための助成などを行うほか、中小企業・小規模事業者などの賃上げ環境整備対策を強化する。内閣府の重点支援地方交付金を拡充し、国が自治体に推奨する事業に中小・小規模事業者の賃上げ支援を加える。経済産業省として、設備投資や省力化投資、売上高100億円の目標を公表した「100億宣言企業」の投資などを支援する補助金を拡充する。小売業、製造業を含む「人手不足感の強い」12業種を中心に、今年6月に閣議決定した「省力化投資促進プランに基づいた支援策を充実」する。米国の追加関税の影響を受けた事業者への特例措置を含め、日本政策金融公庫など政府系金融機関による資金繰り支援策も強化する。米国の追加関税の影響を受けた事業者の生産性向上のための設備投資を促進する補助金の優先採択や補助率の引き上げを行う。賃上げ環境整備のための価格転嫁・取引適正化促進策も強化する。
危機管理投資・成長投資ではバイオものづくり・バイオ由来製品の開発やコンテンツ分野の海外需要拡大などを促進する。