日本チェーンストア協会が21日発表した会員企業(58社、9384店)の15年1~12月の総販売額は13兆1682億円で、店舗調整後は前年比0・7%増となり、96年以来19年ぶりのプラスとなった。
食料品2・5%増に支えられた。衣料品は引き続きマイナスに終わったが、11、12月の大幅減収はあったものの7~10月は4カ月連続で増収になっており、通年では2・1%減と、ここ2年続いた5%を超える下げ幅からみれば水準を戻している。
ようやく浮上したのは確かだが、現場に回復の「実感がない」のを特徴にしている。食料品のプラスは相場高などの価格上昇に支えられており、単価上昇の一方で客数を減らしているのが一般的で、他の販売チャネルとの競合優位が認識できる状況にないためだ。
衣料品は秋までは改革の成果がようやく見え始めた状況だったが、11月以降の高めの気温は「景気よりも天気」から抜け出せていないことを示した。これらにより、14年に10%を切った衣料品の売り上げ比率は、15年9・1%まで低下した。20%を超えていた96年から現在までに、食品スーパーの衣料品圧縮が進み、衣食住を扱うGMS(総合小売業)の苦戦が続いている形だ。
12月は前年並みに戻す
15年12月の総販売額は1兆2948億円で、店舗調整後は前年同月比横ばいとなった。前月はマイナスに転じていたが、前年並みまで戻した。衣料品は引き続き苦戦したが、続伸する食料品に支えられた。
衣料品は高めの気温にたたられた。紳士衣料、婦人衣料ともコートが売れず、カットソーなどに動きが限られた。その他衣料・洋品もブーツ、マフラー、手袋など季節商材が不調だった。