日本繊維製品品質技術センター(キューテック)は、国内でのCSR工場監査業務を始めた。内部規定策定や監査員研修などの体制を整備した。今後、中国も含めて人員を増やしていく。品質管理(QC)監査とも組み合わせて、顧客企業が抱える課題の解決を支援する業務を位置づけ広げていく。
キューテックは20年2月に最初のCSR工場監査を国内の靴下工場で実施した。事故がないよう作業環境をチェックする簡易監査も実施している。QC工場監査で労働条件や工場内環境などCSR監査の要素を含む案件があり、CSR監査規定、マニュアルづくりに着手したのが始まりだ。外部機関でのブラッシュアップやアパレル企業との情報交換などで整備してきた。アパレル企業での経験がある人材の採用や外部機関による監査員研修を実施し人員体制も整えた。これまでの工場監査の経験を生かし、QCともつなげ課題解決の総合的支援を訴求していく。
コロナ禍の下でCSR監査の依頼は止まっているが、顧客企業には中国の工場監査の要望もあり、いずれ中国でのQC・CSR監査実施の運びになるとみている。上海の現地スタッフの監査員研修も需要をみながら実施することになりそうだ。
(繊研新聞本紙20年11月25日付)