ハニーズは、秋から値上げに踏み切る。前期(15年5月期)は、ASEAN(東南アジア諸国連合)生産シフトによってコストダウンを図り、粗利益率は維持したものの、消費増税後の消費低迷などで減収となった。今期は商品の素材の質を高めて価格を引き上げるとともに、不採算店閉鎖を進めてきた中国で再び拡大に転じ、連結売上高で前期比4.2%増の615億円を目指す。
「安く作って、単価もダウンではやっていけない」と江尻義久社長。消費増税後も価格を据え置いてきたが、今秋以降、一部商品は素材の質を高めて値上げする。値上げ幅は3~4%程度を想定し、「ASEAN生産を活用することで、まだまだ安いと思ってもらえる価格で投入できる」とみる。一方、以前値上げした時は客数減を招いたことから、980円、1980円といったサービス商品、目玉商品は価格を維持するなどメリハリをつける。
同社はプロパー販売時から低価格であることを強みとしているが、動きの鈍い商品は値下げして新しい商品を投入し、売り上げと在庫回転を追求する。
国内不振の要因の一つであるヤング市場の苦戦に対してはこの間、40代強化などの方針を掲げていた。今後も「地方では若者自体が減っている。ヤングカジュアルという看板ではなく婦人服の専門店として、平日の集客を含めて幅広い層をとっていかないといけない」と話す。店頭でも、各ブランドのコーナーを分かりやすく区分することでヤング層以外への訴求を強める。