小松精練、韓国コーロンと包括提携

2015/10/21 16:13 更新


 小松精練は韓国の繊維素材メーカー、コーロンファッションマテリアル(李海雲代表理事、KFM)と包括提携し、21日に小松精練本社で締結式を行った。5カ年で三段階のアクションプランを立て、20年には両社共同事業の売上高30億円など成果を見込む。

 両社は小松精練が欧州のファッション市場、KFMは米国のスポーツ市場と、強みとするマーケットが異なり、提携によって相互の補完関係を狙う。

 両社は互いのコスト構造も開示し合い、韓国に2カ所をあるKFMの染色加工場および小松精練の本社工場、中国の小松精練蘇州を含め適地生産とグローバル販売を強める。


 また、KFMは韓国にナイロン及びポリエステルの原糸工場を持ち、糸から製品までのシナジーも見込む。「KFMは原糸の少量試作が可能。マーケットニーズを吸い上げた新しい糸の開発も期待できる」(池田哲夫社長)という。

 第一段階の16年は包括提携に係る売上高が両社それぞれ2億円目標で、欧・米での競争力向上や商品開発などを進め、第二段階の17、18年は5億円を目標にKFMで生産可能なフリース製品の強化や中国市場の拡販、第三段階の19、20年は10億円目標で共同事業の拡大を見込む。

 共同事業は、合弁の販売会社・生産工場の設立も視野に入れ、20年に共同事業の売上高30億円を目指す。「両社で合意したスケジュールに則って、全力を尽くして成功させたい」(李代表理事)という。

 KFMは韓国大手財閥、コーロングループの繊維事業会社で、合繊製造と染色加工を主力に08年に設立された。14年12月期の年商は約450億円。韓国で初めてナイロン原糸を生産した。小松精練は糸や生機をKFMから調達しており、既に1億円近い取引実績がある。



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