小松精練と東京大学工学部サステイナブル・プロトタイピング・ラボ(SPL)は15日、「東京オリンピック・パラリンピックに向けた小さな建築のアイディア」と題する展示会とシンポジウムを行った。
シンポジウムにはファッションデザイナー・武蔵野美術大学教授の津村耕祐氏、東京大学教授の影山和郎氏、同隈研吾氏、同准教授の小渕祐介氏のほか学生が、環境に配慮した建築の現状や取り組みなどを報告した。
展示会・シンポジウムは昨年に続き2回目。小松精練が開発した、染色加工で発生する廃棄物汚泥を原料に使った超微多孔スポンジ状セラミック基盤「グリーンビズ」の最新の事例を紹介をした。建築設計の権威の隈教授は早くからこのグリーンビズに着目、小松精練と協力して研究、開発、普及を進めてきた。この縁もあって昨年、初めて開いた。
展示は小松精練が独自開発の熱可塑性炭素繊維複合材「カボコーマ」、生地とプリントの凹凸加工技術を組み合わせたランプシェード、カーテンをらせん状に巻いた布のシャンデリアや、ミラノ万博日本館での取り組みなどで構成した。中庭には隈研究室の学生がカボコーマとファブリックを使ったパビリオンの展示も行った。
シンポジウムの冒頭に池田哲夫小松精練社長は「2年間で多くのことに気付かされた。3年、4年と続けていきたい」とあいさつした。