オリンピアンの底力を感じた。体操の杉原愛子選手が、先月開かれた世界選手権のゆかで金、平均台で銅メダルを獲得した。昨年、杉原さんを取材した。トライアスという会社を立ち上げており、その事業内容を聞くためだ。現役選手が会社を設立したことに興味を持った。
五輪に出場後、いったん競技から離れた。「ずっと五輪の金メダルを目指してきたが、外から体操を見ると様々なことが見えた。大好きな体操をもっと広めたい」。ただ「現役選手だからこそできることもある」と現役復帰しつつ会社を設立。今回の金メダルにつながった。
競技から離れた時、課題が見えた。「(試合着は)ハイレグのレオタードが当たり前」と思っていたが、「レオタードが嫌なので試合に出たくない」という選手や「娘に着せたくない」といった親の声を聞き、やるべきことが見えた。
メーカーや販売先などの協力を得て、プロデュースしたのがスパッツ型レオタード「アイタード」。「普段の練習着(スパッツ)と同じ感覚で試合に臨めるし、恥ずかしくない」と考案し、着用者が増えている。
今後は体操とエンタメを融合したイベントを企画したいという。そうしたイベントが定着すれば、「体操を身近に感じてもらえるし、引退した選手のセカンドキャリアの一つになれる」。社長として先を見据える。
