休みの日は牧場で馬に乗る。高貴な趣味と言われるかもしれないが、実は名実ともに泥臭い。朝は6時の飼い付け(朝食)から始まり、9時から馬房掃除。それが終わってやっと馬を動かせる。掃除で発生するぬれたオガや馬の排泄(はいせつ)物は、ある程度寝かせた上で、隣接する畑の堆肥(たいひ)として農作物を栽培している。ここの大根はふかふかの土壌のおかげで市場には出回らない完全無農薬極上物と自負している。近隣から、馬で作った堆肥を欲しいとの声もあり、煮卵と物々交換することもある。昨今、「サステイナブル」がもてはやされているが、ちょっとした循環型生活の出来上がりである。
平日は、通勤かばんにエコバッグを忍ばせ、いつでも取り出せる体勢だし、勤務中の飲み物も、自宅でいれた日本茶を水筒に入れて持参する。
当社も、初期の頃は商業施設における照明設備のLED化やCO2排出量の削減効果の高い熱源設備への更新が主だったが、最近はフードロス削減に向けた仕組み作りやキッズフリーマーケットの開催など、地域社会の課題解決やSDGsへの教育・浸透といった幅広い取り組みに変わってきた。ありがたいことに、多くのご出店者が理解を示し積極的にご協力いただけるようになってきた。
喫煙に対する環境が30年前と今では大きく異なるように、個人・企業の意識の変化で、見違えるようなサステイナブルな社会が近い将来に到来するのだと思う。引き続き、微力ながら個人としても企業としてもこうした取り組みを推進していきたい。
(小田急SCディベロップメント社長)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。