大手百貨店は新型コロナの影響による企業リスクに対応して投資・経費の圧縮や運転資金の確保に力を入れる。「当面は資金繰りに大きな影響はない」(J・フロントリテイリング、高島屋)というが、長期化に備えた機動的な資金調達に着手する。一方で、〝コロナ後〟の環境変化を見越した新たな経営戦略の策定を開始する。
(松浦治)
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見通せない終息
J・フロントリテイリングは21年2月期の連結営業利益を前期比7割減の120億円に設定した。ただ、今期の業績予想は3月末時点のもので、4月の政府の緊急事態宣言による百貨店やパルコを中心とした臨時休業は織り込んでいない。
影響額はグループ総売上高で1650億円、営業利益で330億円のマイナス要因として試算した。百貨店は売上高で1250億円、営業利益で268億円の減少を見込む。4月から1カ月に及ぶ臨時休業だけでも売り上げ、利益がさらに落ち込む可能性が高い。
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