ファッションビジネス業界の主役が変わろうとしている。固定観念に縛られず、自分たちなりのやり方で顧客や社会との向き合い方をアップデートしている姿に、歴史ある企業も追従する動きがある。閉塞感を打ち破るのは、いつだって若い力だ。
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次世代の主役たち(写真左から)
- 片石貴展さん(ユトリ社長)
- 藤井亮輔さん(ドットワンCEO)
- かんだまさん(ユーチューバー)
- 高野聡司さん(レディ・トゥ・ファッション代表)
- 関山和秀さん(スパイバー取締役兼代表執行役)
- 矢嶋孝行さん(やまと社長)
- 中村勇貴さん(「ワガママトウキョウ」オーナー)
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■ユトリ社長 片石貴展さん
〝服が好き〟を原動力に希望へ変える
ストリートにこだわり、熱狂的なコミュニティーを生んできた。作るのは、まとう人の思いを代弁できる服。例えば「量産型にはなりたくない」という意味の英文をデザインに添えたもの。着ることで一歩目を踏み出すきっかけを提供している感覚。心の奥に主義主張のある若い人たちが集まって、自己実現する姿を見てきた。もっと広げたいから、30歳までに上場したい。次のページをめくりたいと思ってもらえる企業になりたいと思っている。
コロナ禍で売り上げが急増し、服の可能性を再認識した。自分も服を買ったし、服好きで買い控えた人はほぼいない。承認欲求は不変。今の消費者に最適化した業界構造になれば、ファッションは盛り上がる。
それにはデジタルが前提になる。僕らはデジタルストリートカンパニーと自社を定義した。若者の生活の中心はSNS。知らない歌手のライブに行かないように、インスタにない店には行かないのがスタンダード。それに最適化したコンテンツや組織をどう作っていくのか。
服好きになるきっかけをくれたアパレル業界をリスペクトしている。でも、これまで築いてきたビジネスモデルを変えるのに時間がかかる。だから、服が好きを原動力にした新しいスタイルを見せたい。
最初は個人的な趣味を発信するだけで事業化なんて想像していなかったのに、ビジネスでもインパクトを出せるようになってきた。次は業界をけん引する企業になる。新たに決めたユトリのミッションは、「インディーズからメジャーへ」。
自分たちがファッション業界の希望になりたい。
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■ドットワンCEO 藤井亮輔さん
個人の力を最大化したい
選ばれる企業になる
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