前回はファッションの商売を左右する三つの「気」を繊研新聞ではどのように報道しているか、ご紹介しました。
消費者の購買意欲に影響する「景気」、
そのシーズン、どんな商品が売れているのかを示す「人気(トレンド)」、
実需が盛り上がるタイミングに大きく作用する「天気」の三つがそれです。
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繊研新聞が、この三つの「気」に関する報道に力を入れているのは、それらがファッション業界にとって大きな関心事だからです。
理想的には、需要のある分だけ商品を作って、それを無駄なく売り、収益を最大化したい。だが、そう上手くは行かない。このことは長年、ファッション業界が抱える課題です。
ところが、ほんの少し前まで実現不可能と思われた「欲しいモノだけ作って売る」。そんな商売の仕組みを実現しようとする企業がいま、増えています。
こうした取り組みに力を入れるファッション小売業は、日本以外にも存在し、それらの企業には、いくつかの共通項があります。
①SPA(製造小売業)であり、
②手の届く価格帯の商品を売っていて、
③自国以外に、海外市場へも出店し、事業規模を拡大している。
日本ではファーストリテイリング
良品計画
がそれに当たり、海外ではスペインのインディテックス
スウェーデンのH&M
などがそれに当たります。
グローバル大手小売りは、生産、販売のグローバル化を進める過程でこの間急速に進んだデジタル化の波を生かし、効率的にモノを作り、売る、という仕組み作りを急いでいます。
それは、彼らが
①いずれも売上高が数千億~数兆円という大手であり、
②売れ行き予測を読み違えた際の機会ロス、或いはシーズン商品の売れ残りが業績に与えるマイナス影響が破格に大きく、
③消費マインドやトレンド、景気の変化に敏感に気付き、迅速に対応することが、成長はおろか企業の存続に大きく関わる
からです。
こうした企業の動きは、規模の大きさもあり、ファッション業界の小売業全てが同じことはできないかもしれません。
ただ、デジタル化の進展はその定説も覆す可能性を秘めています。
デジタル技術の活用は、いまや規模や資金力で勝る大手だけが独占できるものではなくなりつつあるからです。
グローバル大手小売りが進める、無駄なく求められる商品を作り、売る仕組み作りの動き、そして、規模を問わずファッション企業がビジネスを最適化するために役立つデジタル技術、繊研新聞はどちらも徹底報道します。
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