サンゲツ、“音の出るファブリック”商品化へ 空間デザインと音響を融合

2025/11/11 06:26 更新NEW!


 サンゲツは、自動車部品や化学製品の製造・販売の槌屋(名古屋)とその子会社の槌屋ティスコ(愛知県知立市)と共同で、音の出るファブリックの開発に着手した。インテリアファブリックに音響という新たな機能を付与することで、視覚だけでなく聴覚にも訴えかける豊かな空間作りを目指す。

 特殊なフィルムと電極シートを組み込んだ柔軟性に優れた布状スピーカーを、カーテン、椅子生地などインテリアファブリックに組み込む。布状スピーカーは、布全面にある無数の小さな発音体により、特定の場所に偏ることなく自然で心地よい音を空間全体に行き渡らせることができる。長尺の音の出るファブリックを設置すれば、その間を人が通り抜けることで、音が追随してくるような没入感のある体験も期待できる。布状スピーカーの基本技術は、国立研究開発法人の産業技術総合研究所が開発し、そのライセンスを槌屋と槌屋ティスコが取得した。

 サンゲツは次世代の空間を創造するための新たな商品開発の一環として、今期からイノベーション戦略室を新設している。今後は、この技術の応用範囲を広げながら、具体的な商品化・空間提案に向けて協力を進めていく。



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