欧州ブランド古着の収集という趣味が高じて新たな事業を立ち上げた、「國立外套店」(ナショナルコートショップ)の佐藤閑代表。服好きマニア同士のCtoC(消費者間取引)から進化した高級ビンテージ販売は、今では幻と言われる仏の高級メンズブランド「アルニス」が柱になる。21年12月からECとイベント販売を軸に事業をスタートした。「単に服を売買するだけでなく、背景となる歴史や文化まで届けるのが理想形」と、人と人との信頼関係を土台に小さく濃厚なコミュニティーの構築を目指す。近い将来、自身の熱量をじっくり伝えられる拠点として、リアル店舗を構える予定だ。
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デジタルの接点で若い世代にも
――起業のきっかけは。
昔から服好きで、コレクター気質がありました。以前はアントワープ系のデザイナーブランドを集めていました。あくまで趣味です。若い頃は通信系の会社に勤めていましたが、10年前に大手アパレルに転職。主にデジタルマーケティングの担当をしていました。そして、コロナ禍にオンライン販売から始めました。
以前から収集してきたアントワープ系の服をアジアの大富豪に売却した資金を元手に、現在、主軸となっている「アルニス」の古着を集め出しました。アルニスはフランスでもトップクラスのテーラードを得意とする紳士服ブランドで、一時期、東京にショップを構えていたこともありました。10年ほど前にラグジュアリーブランドグループに商標権を売却したため、実態はなくなってしまい、日本では知る人ぞ知る希少性の高い、幻のブランドとしてマニアの間で人気になりました。私が集め出した当初よりも3~4倍に高騰しています。
――どんなイベントですか。
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