仙台パルコ、新館が計画超え 2館で200億円超

2017/07/20 04:25 更新


新館は食・コスメ、雑貨とファッションを融合した2階などが好調

 仙台パルコは昨年7月1日に開業した新館、仙台パルコ2(店舗は地上1~9階、84店)の年間売上高が当初計画を上回った。本館(地下1階~地上9階、約140店)も昨秋に実施した改装の成果で順調に推移、2館合計の昨年7月から今年6月までの売上高は当初計画の200億円を突破、本館の15年度実績に対して約50%増となった。狙い通り、20~30代女性が中心客層の本館で十分に取り込めなかった30~40代以上の大人客をつかみ、ハウスカード会員も増えるなど「2館の相乗効果も発揮できている」(門野正弘店長)という。

(有井学)

 新館は本館に比べて衣料品の比率を大幅に減らした。食とコスメ・雑貨を充実、6~9階に仙台駅前唯一の大型複合映画館(シネコン)を導入、1階を飲食店ゾーン「パルイチ」とし、「時間消費機能と大人に向けたライフスタイル提案」を強めた。

 開業から1年間の売り上げはシネコン、パルイチ、食物販・カフェとコスメ・雑貨主体の2階が全館売上高に大きく寄与した。パルイチは狙い通り、近隣の就業者の需要をつかみ、夜の営業時間の売り上げが約6割を占めた。

 2階はだし・調味料「茅乃舎」、チョコレート店・カフェ「リンツ・ショコラ・カフェ」が「想定以上の売り上げ」。コスメの「スリー」「カガエ・カンポウ・ブティック」、バッグ「ケイト・スペードニューヨーク」「バオ・バオ・イッセイミヤケ」、ジュエリー・雑貨「4℃」、生活雑貨主力「クラスカ・ギャラリー&ショップ・ドー」などのほか、衣料品主力の「マーガレット・ハウエル」「45R」も順調だ。「大人の女性客を中心に食と他業種との買い回りも多い」という。シネコンは若い男女も多いが、館全体の客の約7割は30代以上で占める。

 本館の1年間の売り上げは改装工事に伴う休業区画の発生の影響で微減だったが、「ほぼ計画通り」。中でも昨秋に5階に導入したレディス「デイライルノアール」「ティティーアンドコー」「リエンダ」やコスメ「エチュードハウス」、今春に入れた「アンビー」、4階に昨秋に導入した「アングリッド」などヤング向けの改装区画が伸ばしている。

 6月30日には本館8階にキャラクターグッズ店「ポケモンセンター・トウホク」を導入した。集客力を高めると同時に、若い男女のファンが多いことから、パルコ2のシネコンや本館のヤングファッションとの相乗効果を狙って導入した。

 オープン以降、本館全体の入館客数が増加、「メンズファッションとの買い回りも見られる」という。8月25日には本館3階に「ガリャルダガランテ」を入れ、既存の「トゥモローランド」「スピック&スパン」と合わせ、「上質で高感度なファッション」をさらに強化する。

 今年3~6月の2館合計の売上高は前年同期比50%増以上。パルコ2の前期実績が加わった7月は開業景気の反動で前年実績を下回っているが、「予算はクリア」している。今月から開始した開業1周年記念企画などの大型販促や、この1年間で新規会員数が15%増えたハウスカード顧客の拡大策などによって活性化する。増加している訪日外国人対応も強化する。18年2月期も増収を目指し、来年8月の本館開業10周年につなげる。




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