【店長に聞く】営業再開 その時、店長はどう動いた?

2020/06/29 06:28 更新有料会員限定


 6月に入り、全国で店舗のほとんどが営業を再開した。コロナ禍が終息したわけではなく、感染防止策を可能な限り講じた上での営業を強いられる。長いところでは2カ月近く休業していたところもあり、再開に向けてはスタッフのモチベーションを取り戻し、ウイズコロナを前提にした新たな接客や販売の手法を考案することも求められる。再開に向け、どんな準備をし、今、店頭での商売に何が重要と考えているか聞いた。

【関連記事】【店長に聞く】自店が臨時休業に!どう過ごしている?

■今できる限りの丁寧なサービスを 接客、提案改めて確認

「シップス」有楽町店 佐藤知さん

「時間がかかるが毎朝拭き掃除をして、店内の消毒を徹底している」という佐藤さん

 営業再開前は、接客方法や商品についてなど心配もあったが、実際に営業してみると「お客様の反応や対応は今までと変わらないことも多かったし、初日は再開を喜んでくれる方がたくさんいた」と佐藤さんは話す。

 当初はソーシャルディスタンスを取るためにも、積極的な声掛けを控えようと考えていた。営業を再開して、わざわざ店に来てくれているからこそ、今まで通りに接客をするようにしたという。大切なことは「店にウイルスを持ち込まないこと」だから、入店時の手指消毒や定期的な除菌、マスク着用の徹底を心掛けている。

 休業中は「こんなに休んで大丈夫なのか」、営業再開の見通しが立ってきてからは「きちんと仕事出来るだろうか」と不安や心配に思うことも多かった。始まってみると「服が好きで、好きなことだからこそ服を見ていられることが楽しくて、自分もスタッフも切り替えが出来た」と話す。

 再開の前日に全スタッフでミーティングを実施し、ソーシャルディスタンスを保った上での接客方法などを確認し合ったことで「リアルなイメージがついて、普段のテンションに戻りやすかった」という。

 朝礼で商品の良いところを共有し合う「メリットピックアップ」を行うようになった。休業前と再開後では商品ががらっと変わったこともあり、初めて接客する商品をカバーするためだ。接客の練習もかねて、服について考え、良さを伝える感覚を取り戻せるよう心掛けている。

 ECでも買えるものをわざわざ店に買いに来てくれるのは「買い物という行動を楽しく思ってくれているから」だと考えている。リアル店だからこそ「ただ物を売るだけではなく、会話や提案、共感でより楽しく過ごせる場所にしたい」と話す。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事