エターナルエンタープライズ（東京、藤野勝己社長）が輸入販売する仏カジュアル「ヴィコント・アー」は、今秋に高島屋に新たに3店を出店するとともに、国内のセレクトショップに卸販売するなど、拡大に向けて本格的に攻勢をかける。
日本での販売は12年秋から。現在はメンズで高島屋の新宿店と大阪店の2カ所で展開している。このほど来日したデザイナー兼ブランドオーナーのアルチュル・スゥルトレ氏は「日本市場は素材の品質をとても重視するので、このニーズをきちんと満たす物作りをすれば世界で通用するブランドになれる」と意気込む。ブランドの良さをアピールするため、雑誌媒体やSNS（交流サイト）を活用した販促を強化する。
ヴィコント・アーは仏貴族で馬のブリーダー（育種家）だったスゥルトレ氏が、05年にイタリアの高品質な素材を使ったフレンチトラッドなネクタイのブランドとしてスタート。現在はメンズ、レディス、キッズの総合ブランドになっている。フランスのギャラリーラファイエットなどで取り扱われているほか、アジアでは中国の上海、北京で販売。近くニューヨークにも進出を予定している。
日本では総合ブランドとして展開してきたが、今春からメンズに絞って再スタートした。メンズのカジュアルと靴や時計などの雑貨で、ブランドの持つ上品なフレンチトラッドを表現しているのが特徴だ。
エターナルの藤野社長は「05年にスタートした若いブランドで成長中だ。デザイン性や上品さ、高品質など日本市場が好む要素がたくさん表現されており、競争が激しい日本で成功すればアジアはもとより世界を攻略することもできる」とみる。同ブランドは秋冬物以降、日本市場を意識した物作りを進める。秋には高島屋の日本橋、玉川など3店で販売する予定だ。
スゥルトレ氏は「日本の競争レベルは世界の中で最も高い。特に品質に対する基準の高さなど、これまで日本市場で多くのことを学んだ。これを物作りに生かしており、今秋、来春物の企画に期待してもらいたい」と意欲をみせる。
