《視点》小さい強さ

2020/04/09 06:23 更新


 『売上を、減らそう。』という本が話題だ。1日100食限定の小さな定食屋を営む経営者が、いかにして社員の働きやすさと会社の利益を両立しているかについて書いている。働きながら幸せな暮らしを実現するための仕組みが紹介されており、サブタイトルは「たどりついたのは業績至上主義からの解放」。読者が選ぶビジネス書グランプリ2020のイノベーション部門賞も受賞している。

 最近、「小さく」あることの強さについて考える機会が増えた。ビジネスではスケールメリットを生かせる面も多いので、必ずしも小さいことが良いとは思わないが、今まであまりにも店舗や売り上げの拡大を重視し過ぎたのではないだろうか。先述した本が支持されているのも、その反動なのかもしれない。

 少し前、東京・羽根木にオープンした「マメ・クロゴウチ」のショップに行ってきた。うわさ通りの小さな店。商品はワンラックのみで、毎週入れ替えるという。「一つひとつ丁寧に伝えたいから、ぐっと絞っているんです」とスタッフ。小さい理由に共感するとともに、大きな可能性を感じた。

(佐)



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