本紙「軌跡」欄でファミリア70年の歴史を振り返った。書ききれなかったエピソードを紹介したい。岡崎忠彦現社長は会いたい人には自ら会いに行く人だ。異業種であっても、面識がなくても関係なし。テレビで見ただけで電話帳から連絡先をたどったこともあったという。
これまでかばんの吉田の吉田輝幸社長やタビオの越智直正会長らを訪ね歩いた。社長就任間もない頃、三起商行の木村皓一社長にあいさつに行った際は「今日は社長就任パーティーや」と急きょ宴会が開かれ、その懐の深さに感銘を受けたという。今でも互いの展示会を行き来するなど、良好な関係を築いているそうだ。最近は「ザ・イノウエ・ブラザーズ」の井上兄弟の物作りへの考え方に大いに刺激を受けているという。
人に会うことが制限されている今、改めて顔を見合わせて話をすることのありがたみが身にしみている。事態が終息したら誰に会いたいか、今はそれをじっくり考える時にするのはどうだろうか。
(金)