11月にサッカーワールドカップが開催されるとあって、過去の日本代表の試合を動画視聴している。すると、1次リーグを突破したチームは皆、技術うんぬんより組織としてまとまりがあることに気付く。特に初のベスト16に進んだ02年大会では、中田英寿や宮本恒靖らが軸となり、10年の南アフリカ大会でも、田中マルクス闘莉王や長谷部誠、本田圭佑らが精神的支柱となった。いずれもチーム内での対立をいとわず、時に議論を重ねながら、戦い方の理想をメンバー間で共有していったという。両チームとも、ハーフタイムでロッカーに戻る際、選手同士で激しく議論をしていたのが印象的な光景だ。
日本社会では、空気を読むことに重きが置かれ、会議などで対立意見が出づらいと言われる。しかし、結果の出ているチームは必ず、自由闊達(かったつ)な議論をしており、そのために組織が活性化していて、雰囲気も良い。もしチーム内に閉塞(へいそく)感が漂っているなら、まずは反対意見や新たな提案に耳を傾け、議論していくようにしてはどうだろうか。
(潤)