ユトリ(東京、片石貴展社長)は今期(26年3月期)、売上高で100億円超えの「初の大台を目指す」(片石社長)。前期比でおおむね30%の増収増益を目標とし、連結売上高110億円、営業利益8億8000万円を目指す。
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前期にM&A(企業の合併・買収)や新設で子会社が4社増え、グループ全体でブランド数は38、実店舗も46店に拡大。コスメ事業をスタートするなどポートフォリオも拡充した。今期も積極的な出店、海外への進出、新ラインの展開を軸に売り上げを伸ばす。
現在、売り上げ全体の約4割を占めるのが、主力ストリートブランド「9090」や「HTH」、「ヤンガーソング」といった17ブランドで構成するヤングカルチャー事業(8月に新子会社YZへ事業承継する予定)。引き続き国内で出店を続け、東京、名古屋、大阪に加え、地方都市への出店も検討する。
海外は、9090で3月に台湾1号店をららぽーと台北南港にオープンしており、2店目の出店を予定する。このほか、中国本土で25年秋冬に初の期間限定店を予定し、常設店出店も目指す。韓国では現地ブランドとの協業、セレクトショップへの卸強化を図る。
また、1月から販売を開始した平成ギャルファッションをリバイバルした新ライン「9090ガール」が予算を大きく上回る滑り出しで、同様にニッチで深みのある新ラインを増やす。他事業の既存ブランドの成長と共に、さらに新規ブランドも増やし、顧客層拡大を図る。
前期にグループ入りしたハートリレーションの「ハーリップトゥ」事業は売り上げ全体の3割近くを占め、収益への貢献が大きい。アイテムラインナップの拡充、販路の拡大で、春夏の立ち上がりも好調とする。
昨年末に事業を譲り受けたコスメブランド「ミニュム」を軸としたコスメ事業(8月に新子会社プールへ承継予定)は、前第4四半期の売上高が1億1700万円。約3700店で扱いがあり、今期に4000店を超すペースで推移している。新作の順次投入で顧客獲得を図るほか、アジアでの認知・販路獲得も目指す。