ロンドンのバッグブランド「アニヤ・ハインドマーチ」を輸入・販売するアニヤ・ハインドマーチジャパンの今上期(15年3~8月)の売上高は前年同期比30%増ペースで好調に推移し、16年2月期は22億円を見込む。
同社は、レナウンと英国本社とのフランチャイズ契約の終了に伴い、14年3月から100%本国出資の日本法人となった。以後、12年の秋冬から進めていたブランドのラグジュアリー戦略を加速。14~15年秋冬を機に売り上げが伸びている。15年春夏はステッカーをテーマにした新作の期間限定店を伊勢丹新宿本店と阪急うめだ本店で実施し、成功した。ブランドの新たなイメージが消費者にも広く伝わり、新規客が増加。客単価も、かつての10万円から15万~20万円に上昇している。
同社は最終年度の17年2月に売上高35億円を目標とする3カ年計画を進めている。「本当の意味でのラグジュアリーブランドとしての確立を目指す」(北田正喜アニヤ・ハインドマーチジャパン社長)として、まず、20店ある百貨店インショップのリロケーションを進める。現在は、約半数がハンドバッグ売り場、半数がインターナショナルゾーンに位置する。これを17年まで全てインターナショナルゾーンに移す意向だ。店舗数は大きく増やさず、1店舗当たりの売り上げを拡大させる。
ECはまだ売上高1億円に満たないが、「よりグレードアップさせたい」ため、16年以降に強化する。最終的に「売り上げのシェア10%まで引き上げたい」考えだ。このほかの販路は、銀座と青山の直営店、アウトレットが3店、セレクトショップへの卸が約100店。
社内の人事制度なども刷新した。昨年まで販売員は全て契約社員だったが、今年から正社員化を進め、現在の比率は半々。ロンドンとのコミュニケーションもより密に重ね、「さらに総合力を上げていく」としている。