バロックジャパンリミテッドは、レディスの新ブランド「アエヴェス」を立ち上げ、16年春夏から販売する。クリエーティブディレクターを務めるのは、パリをベースに「コムーン」を手掛けてきた古舘郁。30代後半~40代の女性を中心対象に、素材やカッティングにこだわったリアルクローズを揃え、世界に向けて発信する。
古館のパリのアトリエでデザイン、パターンをおこす。伊のジャカードや仏のレース、日本のカットジャカードといった上質な素材を使い、生産は一部のニットを除き日本で行う。「ドメスティックやインポートといった枠を超えた物作りを目指す。あまり高額すぎる服も時代には合っていない。本物のファッションを、手に届きやすい価格で提供する」と古舘。
日常生活に取り入れやすい、リラックス感のあるアイテムを揃えるが、カットのテクニックで立体的なに仕上げている。メンズ仕立てのテーラードジャケットは、絞ったウエストが女性的なフォルム。花柄のドレスは、切り替えた裾がリズミカルに揺れ、ブラウスやチュニックは素材の切り替えによる微妙な陰影をポイントにした。
価格はドレスで中心3万~4万円台。トップやシャツは1万5000~3万5000円。「コムーンは仏や伊の工場で生産していたが、日本生産にすることで、凝った商品をコムーンの約半額で企画できる」。
16年春夏は国内の高感度セレクト店への卸で展開し、16~17年秋冬から主要百貨店でのコーナー展開を目指す。また、16~17年秋冬からパリでの展示会もスタートし、海外にも積極的に販売する。「3年目には、海外売り上げが国内売り上げを上回るイメージ」を描いている。